薬草資料館
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ヒヨドリジョウゴ
【生薬】ハクエイ(白英) 夏から秋にかけて、果実が付いている地上部を刈り取り陽乾する。
【成分】ステロイド系アルカロイド:solanine、ヨーロッパに自生する同属のS.dulcamaraにはtomatidenol,solanidine,soladulcidine, α・β -solamarine、ステロイドサポニン:tigogenin, yamogenin 等。
【効能】解熱、利尿、解毒薬として用いたこともあるが毒性が強く今では用いられていない。外用薬として帯状疱疹に全草を酢漬けにしたものを患部に貼る。 -
エゴマ
【生薬】エシ(荏子) 秋、茎葉が枯れ始めた時の晴天の朝に地上部を刈り取り、3-4日陽乾する。たたいて脱粒、選別し更に乾燥する。
【成分】飽和脂肪酸:stearic acid,palmitic acid、一価不飽和脂肪酸:oleic acid,cis-vaccenic acid、多価不飽和脂肪酸:linoleic acid,α-linolenic acid 等。
【効能】エゴマ油製造原料。喘息、痰切りや便秘に用いる他、血行障害防止や美肌効果などを期待し、健康食品として使われる。 -
ノダケ
【生薬】ゼンコ(前胡) 秋から冬にかけて根を掘り取り、茎葉、ひげ根を取り除き陽乾する。
【成分】クマリン類:nodakenin, nodakenetin, umbelliferone, dccursin, decursidin 等。
【効能】解熱、痰、喘息、吐き気、食欲増進、気管支炎、風邪に煎じて服用する。参蘇飲、荊防敗毒散、蘇子降気湯などの漢方処方に配合される。 -
アキノキリンソウ
【生薬】イッシオウカ(一枝黄花) 開花期(8-9月)に地上部を刈り取り、陽乾する。
【成分】フラボノイド:quercetin, quercitrin, rutin, kaempferol、フェノール類:caffeic acid、その他:サポニン類、タンニン等
【効能】民間薬として腎炎、膀胱炎、風邪の頭痛に煎じて服用。咽の痛みに煎液でうがい、虫刺されやけがに煎液で洗う。 -
ニガウリ
【生薬】クカ(苦瓜) 夏、未熟果を採取し、輪切りにして陽乾する。またはそのまま生で用いる。
【成分】苦味成分:momordicin, charantin, corosolic acid, cucurbitacin、vitamin c 等
【効能】体の熱を冷まし、夏バテや体の火照りを除く作用がある。解毒、止瀉薬として化膿や下痢、眼病に服用する。 -
ムクゲ
【生薬】モクキンカ(木槿花) 夏の開花期、花が開き始める早朝に蕾を採取し、陽乾する。
【成分】フラボノイド:saponarin、根皮にはtannin、粘液質等。
【効能】粘滑、清熱、利湿、解毒、止痒、止瀉薬として細菌性胃腸炎、出血性の下痢、腸出血、膀胱炎に用いる。 -
アジサイ
【生薬】シヨウカ(紫陽花) 開花期に花を採取し、バラバラにした後陽乾する。
【成分】anthocyanin、3-caffeoylquinic acid、3-p-coumaroyquinic acid、hydrangenoside A 等。
【効能】民間薬として瘧、風邪の発熱や咳に煎じて服用する。 -
クスノキ
【生薬】ショウノウ(樟脳)材を切削機で薄い木片に砕いて大釜に入れ、水蒸気蒸留し、ゆっくり冷却して結晶化させる。冷却器の中の水の表面に浮いた白い結晶を集め、乾燥する。
【成分】樟脳はd-camphor。その他の精油:α-pinene, camphene, phellandrene, cineole, dipentene, α-terpineol, safrole, oeugenol, d-limonene 等。
【効能】衣服の防虫剤として用いる他、鎮痛、消炎、鎮痒薬としてかゆみ止めやリップクリーム、湿布薬などに配合され、外用される。複方サリチル酸メチル精(肩こり、筋肉痛、筋ちがい)に配合される。 -
クロモジ
【生薬】チョウショウコンピ(釣樟根皮) 根を掘り上げ、水洗後皮を剥ぎ、薄く刻んだ後に陰乾する。
【成分】テルペン類: α-phellandrene, α-pinene, limonene, terpinene, dihydrocarvone、アルコール類:cineol, linalool,terpineol,geraniol,nerolidol、フラボノイド:pinocembrin,pinostrobin, llinderachalcone、アルカロイド:laurolitsine, launobine 等。
【効能】民間薬として急性胃腸炎、下痢、脚気、浮腫に煎じて服用。粉末を切り傷の止血に外用。浴剤として湿疹、疥癬に、また腰痛、リウマチ、冷え性に効果がある。 -
アーモンド
【生薬】ハタンキョウ(巴旦杏) 秋、果実が成熟すると果肉が乾燥し裂けて核が離れる。核を割って仁を取り出し陽乾する。
【成分】amygdalin、emulsin、脂肪油、タンパク質など。
【効能】苦い味がするものを苦扁桃といい、水蒸気蒸留して得られた苦扁桃水を鎮咳薬として用いる。甘扁桃は滋養に食用とする。脂肪油はオイルマッサージに外用し、緩下薬としても内服する。 -
ダイズ
【生薬】コクダイズ(黒大豆) 秋、葉が枯れ落ち、莢を振ると中の種子が音を立てるようになった時茎ごと引き抜き吊るして乾燥する。よく乾かし、たたいて豆を出し、再び乾燥する。
【成分】イソフラボン:daidzin,daidzein,glycitin,glycitein,genisth,genistein、サポニン:soyasaponin Ⅰ ,Ⅱ, Ⅲ、脂肪酸:palmitic acid,linoleic acid,stearic acid,linolenic
acid,oleic acid、タンパク質:glycinin, β -conglycinin、色素:anthocyan など。
【効能】活血、利水、祛風、解毒薬として浮腫、脚気、筋肉のひきつり、化膿などに用いる。民間薬として風邪や咳に煎じて服用、また利尿、解毒に炒った豆に熱湯を注ぎ服用する。 -
アカマツ
【生薬】ロジン 松脂を蒸留した残りの不揮発性成分。工業的には松材のクラフトパルプの製造時にでるトール油を蒸留した時の残渣である。
【成分】樹脂酸:abietic acid, neoabietic acid, palustric acid, pimaric acid, isopimaric acid, dehydroabietic acidなど。
【効能】絆創膏の粘着付与剤。紙のにじみ止め、粘接着剤、印刷インク、合成ゴム、塗料、ロジンバックなどに用いられる。