薬草資料館
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ショウヨウダイオウ
【生薬】ダイオウ(大黄) 秋、播種から4年以上の大株を掘り起こし、根と皮部を取り去り、穴をあけてひもを通し、吊るして風乾する。
【成分】アントラキノン:chrysophanol, emodin, rhein,aloeemodin, physcion などとその配糖体,sennidinA-F, rheidinA-C, palmidinA-D、タンニン:rhatannin Ⅰ , Ⅱ , d-catechin、ナフタレン配糖体など。
【効能】緩下剤として単用または配合剤に用いられる。瀉下剤、高血圧症用薬、解熱鎮痛消炎薬、皮膚疾患用薬とみなされる漢方処方に配合される。 -
クコ
【生薬】クコシ(枸杞子) 秋、完熟した果実を採取し、果柄を取り除いてしばらく陰乾し、さらに外皮が堅くなるまで陽乾する。
【成分】カロチノイド:zeaxanthin,physalien、アミノ酸:betaine、β-sitosterol、linoleic acid、vitaminB1,B2,C 等。根皮にはkukoamineA,B,C,D 等。
【効能】強壮薬として高血圧、めまい、頭痛、肝臓疾患、貧血、虚労、無力感、腰膝の疼痛に応用する。杞菊地黄丸などの漢方処方にも配合される。疲労回復にはクコ酒を飲用。枸杞子粥として食用にも用いる。 -
チョウセンゴミシ
【生薬】ゴミシ(五味子) 秋、完全に熟してから果実を採取し、陽乾する。
【成分】リグナン類:schizandrinA-D,deoxyschizandrin,gomisinA-D,F,pregomisin、精油:citral,β-chamigrene,β-chamigrenal,sesquicarene、有機酸:citricacid,malicacid 等。
【効能】鎮咳、収斂、止瀉、滋養、強壮薬として慢性の喘息、口褐、下痢、多汗、疲労などに応用する。杏蘇散、小青竜湯、清肺湯などの漢方処方に配合される。また、滋養強壮を目的に薬用酒として飲用される。 -
ヨシ
【生薬】ロコン(蘆根) 秋から冬にかけて、地下茎を掘り取り、水洗後節々の根を取り除き、陽乾する。
【成分】coixol、asparagine、vitaminB1,B2,C 等。
【効能】解熱、利尿、止渇薬として小便不利、便秘、消渇、肺炎、嘔吐、食中毒に用いる。 -
タラノキ
【生薬】タラコンピ(タラ根皮) 秋、葉が落ちてから春新芽が動きだす前に根を掘り起こし、根皮を剥いで水洗いし、陽乾する。
【成分】サポニン:araloside A,B、フェノール類:protocatechuic acid、脂肪油:petroselinic acid,petroselidinic acid,palmitic acid,等。
【効能】健胃、利尿、消炎、駆血薬として腎臓病、胃潰瘍、神経痛、リウマチ、関節炎、肝炎に応用する。また、民間では糖尿病の妙薬として連銭草や枇杷葉と共に用いる。 -
ヤマモモ
【生薬】ヨウバイヒ(楊梅皮) 夏に樹皮を剥いで陽乾する。
【成分】フラボノイド:myricetin, myricitrin、tannin 等。
【効能】収れん性止瀉薬として下痢に用いる他、粉末を卵白と練って打撲傷や捻挫に貼る。漁網を染める染料としても使う。 -
アマチャ
【生薬】アマチャ(甘茶) 9月に地上部を刈り取り、葉をしごいて取り、水洗後ひろげて陽乾する。乾いた葉に水を打って湿らせ、むしろをかぶせて1日放置して発酵させた後、手でよく揉んでから乾燥する。
【成分】イソクマリン:phyllodulcin(甘味成分)とその配糖体,thunberinolA,B,C、フラボノイド:quercetin, rutin, kaempferol 等。
【効能】甘味、矯味薬として丸剤など家庭薬、口腔清涼剤の原料として用いる。 -
トネリコ
【生薬】シンピ(秦皮) 春から夏に樹皮を剥ぎ、陽乾する。
【成分】クマリン類:aesculin,aesculetin,fraxin,fraxetin,fraxinol、フェノール誘導体:syringin、糖類:mannitol、tannin 等。
【効能】消炎、収斂薬として下痢や解熱に。尿酸排泄作用があり痛風に。結膜炎などに煎液で洗眼する。白頭翁湯などの漢方処方に用いる。 -
ホンシャクナゲ
【生薬】セキナンヨウ(石南葉) 夏に葉を採取し、水洗しながら裏面の毛をたわしでこすり落とし、陽乾する。
【成分】有毒成分:rhodotoxin、その他:rhododendrin,ursolic acid, oleanolic acid、tannin 等。
【効能】利尿薬として浮腫やリウマチ、痛風に用いる。有毒なので注意する。 -
ニワトコ
【生薬】セッコツボク(接骨木) 秋に茎を採取し、陽乾する。他に根(接骨木根)、花(接骨木花)、葉(接骨木葉)も利用する。
【成分】トリテルペノイド:oleanolic acid、ursolic acid,α-amyrin、タンニン、樹脂、ステロール類。
【効能】茎、根、花、葉ともに下熱、鎮痛、消炎、利尿、止血薬として水腫、腎炎、咽喉痛、痛風、諸出血、産後の悪血に用いる。打ち身、骨折に外用。神経痛、間接リウマチに浴湯料として。 -
ハコベ
【生薬】ハンロウ(繁縷) 開花時に採取し、陽乾する。
【成分】不詳。
【効能】民間では浄血、催乳薬として婦人の産前産後に用いる。歯槽膿漏の予防に、生の搾り汁に塩を加え、フライパンで炒った塩で歯を磨く。 -
ヤブコウジ
【生薬】シキンギュウ(紫金牛) 晩秋に根茎と根を掘り取り、水洗し、陽乾する。中国では全草を用いる。
【成分】ベンゾキノン誘導体:rapanone,bergenin,maesanine、フラボノイド:quercitrin,myricitrin 等。
【効能】鎮咳、利尿、解毒作用があり、消化不良、腹痛、湿疹、腫れ物、膀胱炎、咳止に用いる。