薬草資料館
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アマチャ
【生薬】アマチャ(甘茶) 9月に地上部を刈り取り、葉をしごいて取り、水洗後ひろげて陽乾する。乾いた葉に水を打って湿らせ、むしろをかぶせて1日放置して発酵させた後、手でよく揉んでから乾燥する。
【成分】イソクマリン:phyllodulcin(甘味成分)とその配糖体,thunberinolA,B,C、フラボノイド:quercetin, rutin, kaempferol 等。
【効能】甘味、矯味薬として丸剤など家庭薬、口腔清涼剤の原料として用いる。 -
トネリコ
【生薬】シンピ(秦皮) 春から夏に樹皮を剥ぎ、陽乾する。
【成分】クマリン類:aesculin,aesculetin,fraxin,fraxetin,fraxinol、フェノール誘導体:syringin、糖類:mannitol、tannin 等。
【効能】消炎、収斂薬として下痢や解熱に。尿酸排泄作用があり痛風に。結膜炎などに煎液で洗眼する。白頭翁湯などの漢方処方に用いる。 -
ホンシャクナゲ
【生薬】セキナンヨウ(石南葉) 夏に葉を採取し、水洗しながら裏面の毛をたわしでこすり落とし、陽乾する。
【成分】有毒成分:rhodotoxin、その他:rhododendrin,ursolic acid, oleanolic acid、tannin 等。
【効能】利尿薬として浮腫やリウマチ、痛風に用いる。有毒なので注意する。 -
ニワトコ
【生薬】セッコツボク(接骨木) 秋に茎を採取し、陽乾する。他に根(接骨木根)、花(接骨木花)、葉(接骨木葉)も利用する。
【成分】トリテルペノイド:oleanolic acid、ursolic acid,α-amyrin、タンニン、樹脂、ステロール類。
【効能】茎、根、花、葉ともに下熱、鎮痛、消炎、利尿、止血薬として水腫、腎炎、咽喉痛、痛風、諸出血、産後の悪血に用いる。打ち身、骨折に外用。神経痛、間接リウマチに浴湯料として。 -
ハコベ
【生薬】ハンロウ(繁縷) 開花時に採取し、陽乾する。
【成分】不詳。
【効能】民間では浄血、催乳薬として婦人の産前産後に用いる。歯槽膿漏の予防に、生の搾り汁に塩を加え、フライパンで炒った塩で歯を磨く。 -
ヤブコウジ
【生薬】シキンギュウ(紫金牛) 晩秋に根茎と根を掘り取り、水洗し、陽乾する。中国では全草を用いる。
【成分】ベンゾキノン誘導体:rapanone,bergenin,maesanine、フラボノイド:quercitrin,myricitrin 等。
【効能】鎮咳、利尿、解毒作用があり、消化不良、腹痛、湿疹、腫れ物、膀胱炎、咳止に用いる。 -
ネギ
【生薬】ソウハク(葱白) 必要な時に掘り取り、ひげ根と葉を切り落とし、外膜を取り除く。
【成分】allicin、diallyl sulfide、vitamin C, B 1 , B 2 , nicotinicacid、脂肪油:palmitic acid, stearic acid, arachidicacid, oleic acid, linoleic acid、粘液質など。
【効能】民間薬として身体を暖め、発汗作用があるのでかぜの初期に食用する。 -
カラスウリ
【生薬】オウカニン(王瓜仁) 秋、完熟した果実を割いて種子を取り出し、水洗後陽乾する。
【成分】tricosanoic acid, inoleic acid, oleic acid, diaminopropionic acid, pipecolinic acidなど。
【効能】消炎、鎮咳、去痰薬として胸痛、便秘、咳嗽、心臓喘息、狭心症などに用いる。 -
サンザシ
【生薬】サンザシ(山査子) 秋、完熟する少し前の偽果を採り、陽乾する。粒が揃い、色が赤く、堅いものが良品。
【成分】青酸配糖体:amygdalin、フラボノイド:hyperoside, quercetin, vitexin、トリテルペノイド:ursolicacid,crataegolic acid,maslinic acid、フェノール類:chlorogenic acid、酒石酸、ビタミンB 1 、B 2 、C、シュウ酸、タンニンなど。
【効能】消化、整腸、健胃、鎮静薬として胃炎、胃拡張、食欲不振、二日酔いに用いる。啓脾湯などの漢方処方にも配合される。 -
カワラヨモギ
【生薬】インチンコウ(茵蔯蒿) 秋、開花後しばらくして花穂のみを刈り取り、速やかに乾燥する。香りの強いものが良品。
【成分】精油:capillarin, capillin, capillene, nor capillene, capillone、クマリン類:scoparone, esculetin、フラボノイド:cirsiinrol, cirsimaritin、クロモン類:capillarisin, capilartemisinA, B 等。
【効能】消炎性利尿、利胆薬として解熱、肝炎予防、黄疸、胆道疾患、胆嚢炎などを目的に漢方処方に配合される。 -
エビスグサ
【生薬】ケツメイシ(決明子) 秋、果実が成熟し茶褐色になってから株ごと抜き取り、ハサ掛けして乾燥し、種子を叩き出す。風選して煩雑物を取り除き、再び陽乾する。顆粒が均一で、充実し、黄褐色なものが良品。
【成分】アントラキノン誘導体:emodin, obtusifolin, obtusin, chryso-obtusin, aurantio-obtusin およびその配糖体、ナフトビロン誘導体:rubrofusarin, norrubrofusarin, cassiaside B 2 , C 2 、イソクマリン:troalactone 等。
【効能】緩下、整腸、健胃、強壮、利尿薬として、便秘、腹部膨満整腸に用いる。眼病や目の疲れ、充血にも用いる。漢方処方に配合される。 -
ベニバナ
【生薬】コウカ(紅花) 開花後、管状花が黄色から橙色、鮮紅色に変わった頃摘み取り、風通しの良い日陰で乾燥する。花片が長く、色が鮮紅色で、質の柔軟なものが良品。
【成分】紅色色素:carthamin、黄色色素:safloryellow、フラボノイド:carthamidin,neocarthamin、種子からは、脂肪油:linoleic acid, oleic acid、ステロール類等。
【効能】婦人病、通経、鎮痛薬として一般の配合薬に配合される他、婦人薬とみなされる漢方処方に配合される。ベニバナ酒としても用いる。食用着色料、染料としても名高い。