薬草資料館
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ニラ
【生薬】キュウハク(韭白) 成長が早く、年に4-5回収穫することがでる。生葉のまま利用することが多いが、陰乾し保存することもある。
【成分】硫化アリル類:dimethyl disulfide,diallyl sulphide,allyl methyl disulfide,dimethyl trisulfide,diallyl disulfide,methyl allyl mats trisulfide 等。
【効能】胃や脾を温め、血行を良くし、解毒に、また吐血、鼻血、血尿、消渇や痔、脱肛、打撲に用いる。種子キュウシ(韭子)は腰痛、遺精、頻尿に用いる。 -
クズ
【生薬】カッコン(葛根) 秋から冬にかけて肥大した貯蔵根を掘り取り、水洗し、コルク皮を剥いで縦割り、またはサイコロ状に切ってから陽乾する。
【成分】イソフラボン誘導体:daidzein,daidzin,puerarin,genistein,formononetin,kakkonein,puerarol、サポニン:soyasapogenol A,B,C,D,E,F、芳香族配糖体:pueroside A,B 等。
【効能】発汗、解熱、鎮痙作用があり、主に葛根湯などの漢方処方に配合される。民間では風邪に葛粉をお湯で溶いて用いる。また葛花を二日酔いに用いる。 -
ホオズキ
【生薬】サンショウ(酸奬) 夏の開花中に全草を収穫し、水洗後陽乾する。
【成分】苦味成分:physalinA,B,C、フラボノイド:luteolin、根にはtigloyloxytropane 等。
【効能】鎮咳、解熱、利尿薬として民間で発熱、黄疸、水腫に用いる。根を同様に用いるが、過去には堕胎薬として用いたことがあり、妊婦には用いてはならない。 -
ヘンルーダ
【生薬】ヘンルーダ 夏の開花時期に地上部を刈り取り、陽乾する。
【成分】精油:methylnonylketone,methylheptylketone,pinene,cineole、アルカロイド:arborinine,fagarine,kokusaginine、フラボノイド:rutin、フロクマリン類:bergapten,chalepensin 等。
【効能】駆風、通経、消炎、利尿、解毒作用などがあり、ヨーロッパではリウマチ、腹痛、呼吸困難、肋膜炎、関 節痛、月経不順、ヒステリー症に用いる。湿疹、打ち身、捻挫、腰痛に外用する。 -
カノコソウ
【生薬】キッソウコン(吉草根) 秋、地上部が黄変する頃掘り取る。土を落としながら株分けし、大株を水洗後、むしろ上にひろげて陽乾する。
【成分】モノテルペノイド:cineol,camphene,α - β -pinene, limonene,p-cymene,borneol,bornyl acetate bornyl isovalerate、セスキテルペノイド:kessanol,kessylglycol, kessylglycol diacetate,valeranone,fauronyl acetate,knokonyl acetate,cryptofauronol、アルカロイド:chatinine,valerianine、イリドイド配糖体:kanokoside A,B,C,D,patrinoside,valerosidate 等。
【効能】鎮痛・鎮痙作用がありヒステリー、ノイローゼ、神経哀弱、神経過敏、精神不安、心臓神経症に用いる。また不眠症、偏頭痛、めまい、耳鳴り、心悸亢進、疝痛、てんかんにも効果がある。 -
レンギョウ
【生薬】レンギョウ(連翹) 熟した果実を採取し陽乾した後、種子と夾雑部を取り除く。
【成分】リグナン類:arctiin,arctigenin,phillygenin,phillyrin, matairesinol,pinoresinol,pinoresinolglycoside、フェネチルアルコール配糖体:forsythoside B、フラボノイド:rutin、トリテルペノイド:oleanolic acid,betulinic acid,ursolic acid、イリドイド配糖体:forsythid,forsythid methyester 等。
【効能】腫れ物、にきび、吹き出物、疥癬、瘰癧、腫瘍、丹毒等に用いる。駆風解毒湯、荊芥連翹湯、防風通聖散等の漢方処方に配合される。 -
キバナノクリンザクラ
【生薬】カウスリップ 花は春の開花時に採取し乾燥する。根は秋に採取します。
【成分】花にprimulacamphor, malvidin, primulaflavonoside、根にprimulasaponin, primacrosaponin, priverosapo nin B,primverin、primulaverin 等。
【効能】花には鎮静、発汗、抗炎症作用があり、不眠症や中風の薬として、また頭痛薬として用いる。根は去痰作用があり気管支炎、咳などに用いられるほか、関節炎の常備としても用いられる。 -
デンジソウ
【生薬】ヒン(蘋) 夏から秋にかけて根ごと引き抜き水洗後乾燥する。
【成分】未詳。
【効能】清熱、利水、解毒、止血作用があり、眼充血、腎炎、肝炎、糖尿病、吐血、鼻出血、排尿痛、血尿などに用いる。化膿したできもの、リンパ節結核、乳腺炎、痔瘻の腫痛には外用する。主に中国で用いられる。 -
カヤ
【生薬】ヒジツ(榧実) 晩秋、成熟した果実を摘み取り、または落果した果実を集め、水にさわして外皮を除いた種子を陽乾する。
【成分】飽和脂肪酸:palmitic acid, stearic acid、不飽和脂肪酸:linolenic acid, oleic acid 等。
【効能】十二指腸虫や条虫に種子の粉末を食べる。夜尿症には焙った種子の粉末を食べる。種子から取れる油脂は灯油、食用に用いられた。 -
ヒヨドリジョウゴ
【生薬】ハクエイ(白英) 夏から秋にかけて、果実が付いている地上部を刈り取り陽乾する。
【成分】ステロイド系アルカロイド:solanine、ヨーロッパに自生する同属のS.dulcamaraにはtomatidenol,solanidine,soladulcidine, α・β -solamarine、ステロイドサポニン:tigogenin, yamogenin 等。
【効能】解熱、利尿、解毒薬として用いたこともあるが毒性が強く今では用いられていない。外用薬として帯状疱疹に全草を酢漬けにしたものを患部に貼る。 -
エゴマ
【生薬】エシ(荏子) 秋、茎葉が枯れ始めた時の晴天の朝に地上部を刈り取り、3-4日陽乾する。たたいて脱粒、選別し更に乾燥する。
【成分】飽和脂肪酸:stearic acid,palmitic acid、一価不飽和脂肪酸:oleic acid,cis-vaccenic acid、多価不飽和脂肪酸:linoleic acid,α-linolenic acid 等。
【効能】エゴマ油製造原料。喘息、痰切りや便秘に用いる他、血行障害防止や美肌効果などを期待し、健康食品として使われる。 -
ノダケ
【生薬】ゼンコ(前胡) 秋から冬にかけて根を掘り取り、茎葉、ひげ根を取り除き陽乾する。
【成分】クマリン類:nodakenin, nodakenetin, umbelliferone, dccursin, decursidin 等。
【効能】解熱、痰、喘息、吐き気、食欲増進、気管支炎、風邪に煎じて服用する。参蘇飲、荊防敗毒散、蘇子降気湯などの漢方処方に配合される。